伊豆でダイビング その五 2日目前半

高鬼

若干飲みすぎの感もあるが爽やかな目覚め、しかし外は雨である。まあ、ダイビングには雨はそんなに関係ないのだが・・・。
ただ、雨や曇りだと太陽光が入ってこないので海中が暗くなる。

実は自分は太陽光が海中に入り込んで来てキラキラするのを、海底に寝っ転がって眺めるのが凄く好きなのだが、残念ながら今回はそういったシーンを見ることはできなかった。2日とも太陽がほとんど顔を出さなかったからだ。

で、起きて朝食を食べ、その日のスポット決定を待つ。仲間の二人のお勧めは伊豆のダイビングスポットのメッカIOP(伊豆海洋公園)http://www.iop-dc.jp/なのだが、台風接近の影響もあって波がうねっているらしい。という事で、結局は富戸(ふと)というところで潜ることになった。

こういったどこで潜るかと言うのを、自然条件と併せて判断するところなど、パラグライダーに非常に似ている。「今日は北風だから○○に飛びに行くか。」とかいうのにそっくりだ。

また、波の条件の話し等を横で聞いていると、風の吹き方についてフライヤー同士で話しているような感じにとても似ている。

という訳でその後、この日来る別のお客さんなども到着して、準備開始。皆で歩いてダイビングスポットまでいく。ショップからこのスポットまでは歩いていける距離なのである。

今日のエントリー(入水)は、昨日と同じく海岸から。ただし最初から結構な岩場で、更にしばらく泳ぐといきなり深いというパターンだ。前日に、「初心者が潜行が遅いと、結構待っているのが面倒な時がある。」といっていた石江さんの言葉を思い出し若干緊張する。

で、エントリー。今日の一本目は砂地の深場をグルーッと回るダイブである。潜行はやっぱりちょっと手間取った。ガイド用のロープを伝えという指示で、何とか大きく遅れることもなく潜ることはできたのだが。

その後は、砂地の海底へ徐々に深く進んでいく。今日は透明度がとても高い。後で聞くと海流や天候の影響で海水の入れ替わりがあったようだ。海水は思った以上に暖かい。陸地で雨にあたっているよりよっぽど暖かい。気温より海水温の方が高かったからだ。道理で暖かいはずだ。水温的にこの時期のダイビングを薦めてくれた石江さんに、サブがり男は海中で感謝するのだった。

海底の砂地は静かだった。あまり生き物はいない。しかし、その透明度と海水の美しさだけでもそこにいることが気持ちがいい。

そんな時、あの男が動き出した。森町さんである。彼が100円ショップで部品を調達して自作した如意棒(突っつき棒)をもった時、そこには何者かが存在するのである。

彼は、小さなタコをつついた。墨を吐くタコを見て更につついた。そして、魚もつついた。逃げようとする魚の予想進行コースに、如意棒を差し出して更につつこうとした。

そして、その後ある場所で、嬉々とした顔で「お前もつつくか?」と言わんばかりに、如意棒を僕に貸してくれた。

だから僕は、タツノオトシゴの仲間を、森町さんと同じような悪いことをするときのガキの表情でつついたのだった。

砂地のダイビングは瞬く間に過ぎていった。海岸に戻りつつ岩場にいる色とりどりの生き物を観察し、この日の1本目終了。

ショップに戻って昼食。そして午後からはこの日2本目のダイビングが始まるのである。

関連記事
Posted by高鬼

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply