鬼飛(おにとび)ブログ
パラグライダーで飛んでるおっさんの雑記ブログです

オレたちの深夜特急 第一部 最終回 「おかんとの再会」

s-IMG_0072kk.jpg インドはヴァラナシで日本の家族にかなり久しぶりの国際電話をした時、妹が電話口でいきなり泣きだした。おかんが倒れたという。





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 脳出血で救急車で運ばれ、緊急手術をしたおかんは、一命は取り留めたものの半身が不随となり、脳にダメージを受けたこともあって、話しなども満足にできないという。

 すぐに帰ろうとしたが、「帰ってきてもどうにもならない状態なので、そのまま旅程をこなしてから帰国すればいい。」と、妹はそう言う。

 正直、おかんの病状を聞いただけでもブルってしまい、より現実から逃避したくなった僕は、その妹の言葉をいいことに、その後数週間、安チケットのブッキングそのままに日程をこなして、日本へと帰国したのだった。

 そして帰国前、僕はおかんにいつもの様に怒られることで、おかんの頭がしゃきっとなるのではなかろうかなどという、アホな考えを思いつき、タイはカオサンで髪型をドレッドにしたのだった。


s-IMG_0072kk.jpg
帰国後撮影した筆者のドレッド姿



 そうして僕は日本に帰国し、その足ですぐさま病院へと向かった。不安で爆発しそうになりつつ、どきどきしながら病室に入った僕は、そこに思いもしなかったおかんの姿を見た。

 おかんは丸坊主になっていた。そして、おかしな表情で僕の方を見ていた。おかんの頭は、すっかり病気に侵されていた。もちろん、おかんは僕のどうしようもない頭を見ても、「あんた、なんちゅう頭してるんや。」とも、「おかえり。」とも言わなかった。

 僕はおかんを見つめたまま、無言で泣いた。妹に聞いていた以上に酷いおかんの病状に、僕は全く耐えることはできなかった。気の利いた言葉をおかんにかけることもできず、僕はただただ泣いた。

 そして僕の旅は完全に終わりを告げた。

 その後は、すっとぼけてしまったおかんに激しく苦悩しながらの看病の日々となった。しかし、短期間でおかんは回復することはなく、僕は数カ月後にパラグライダーの仕事をするために群馬県へと旅立つことになったのだった。

 後で聞いた話しなのだが、おかんは倒れる前の日まで、毎日カレンダーにバツ印を入れていたという。出発前は全くそんな素振りは見せていなかったのだが、おかんは僕のことを心配し、そして、無事に帰国するのを心待ちにしていたらしい。

 それを聞いた僕は今でも、「自分のせいでストレスを感じて、おかんを倒れさせたのではないか。」とそう思うことがある。

 しかし、倒れてから数年後に、体は別として、頭はかなり回復したおかんとその時の話しをした際に、「まあ、それが直接の理由であることはないなあ。」という言葉を聞けたことだけが、少しだけ救いになっていたりする。

 最後はひどく苦い旅の終わりとなったが、この時の初めての長い海外旅行は、僕の人生観や生き方を大きく変えることとなった。今となっては、もったいないことに日記を読み返してもあの時の様々な出来事をほとんど覚えていないような体たらくであるが、あの旅での経験や体験により、僕がその後変わったと思うことは多々ある。
 
 そんな訳で今でも、旅をすることは人にとって大変に良いことであると、時に僕は他の人に説いている。

 そして若い人には沢木耕太郎氏が深夜特急の旅をした26歳から27歳までに、このような旅をすることを強くお勧めする次第である。自分探しとかそんなアホなことは言わない。今までの日本での経験とは、大きく違った体験や経験、感じ方ができるということは大変に貴重であると思うからだ。

 奇しくもこの時の旅を終えた日と同じ4月6日に、この記事の最終回を迎えることにちょっとした感慨を覚えつつ、7年少し、108回という長期・多数回に渡って、この長々とした駄文を読んで下さった方々に、最後に感謝の気持を述べて終わりにしたい。

 読んで頂きまして本当にありがとうございました。

 おわり

この記事は、リンクコラム形式になっており、記事中にも出てくる熊猫師(師)のブログ、「BBB」Beer Beer Beerでは、同時期における、彼の視点から見たアジア旅行について書いています。(アジア旅行編第一便、第2便は既に完結。)

なお、つい先日より、僕の旅の時とは同時期ではありませんが、インド編が再開しました。楽しんで頂けるかと思いますので、

↓ こちらをクリックして頂いて、
「BBB」 オレたちの深夜特急シリーズ
是非ご覧下さい。

 ※このアジア旅行は1996年から1997年にかけてしたものです。現在の各地の現状とは大きく違うと考えられますので、旅行者の方の情報源とは成り得ないと思います。ご注意下さい。


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  1. 2014/04/06(日) 21:15:58|
  2. 俺たちの「深夜特急」|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

  

コメント

4月6日の帰国メモリアルに完結するという不思議。
7年、108回。長いなぁ。もう、そんなに経ったっけ?

第一部って、書いてあるから、第二部もあるのかな?
それでも、やっぱり「オレたちの」なんだろうな。

  1. 2014/04/07(月) 18:59:20 |
  2. URL |
  3. 熊猫 #-
  4. [ 編集]

確かに長いね

 更新が凄い飛び飛びになっていたとはいえ、7年も引っ張るとは思わなかったよ。ほんと長かったねえ。

 そして回数が、仏教でいうところの煩悩と同じ108回。これも中々の偶然というか・・・。(笑)

 なお第二部だけど、書くかどうかはわかんないな。ラオス編はほんとなんも書くことがないから。

 それにこの時は、旅の途中でなんかとんでもなく寂しい気持ちになって、旅程を切り上げて帰国してるという体たらくだし。

 ちなみに、このシリーズでブログに書くのはおしまいにするって言ったら、「ラオス編も書けよ。」って言ったのは師だぞ。(笑)

 あと、俺らにとっての海外旅行は、すべて「オレたちの深夜特急。」なんじゃないかと思うよ。いつまでたったとしても、バックパッカー的な思考は抜け切らないと思うからね。 

  1. 2014/04/09(水) 12:02:11 |
  2. URL |
  3. 高鬼 #bBUgYcK2
  4. [ 編集]

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