鬼飛(おにとび)ブログ
パラグライダーで飛んでるおっさんの雑記ブログです

初中級パラ講座 第6回 「アプローチの方法」

 かなりご無沙汰していた初中級パラ講座。第6回の今回は、アプローチについてです。



 アプローチの基本は、風向きに合わせたアプローチ地点に、帯状のアプローチスペースを設定し、そこから外れない様に大きな8の字旋回、もしくは180度旋回を繰り返して高度を調整し、適切な高さになったらできるだけ直線飛行で、ファイナルアプローチを取るというものです。(下記 図1参照)




s-IMG_0535a.jpg
<図1>

※1 アプローチゾーンは、
風が強い時は、ランディングに近い方向(図では左方向)に設定し、
風が弱い時は、ランディングから遠い方向(図では右方向)に設定します。

また、高度が高い場合には、図の上下方向のゾーン設定を長くして、
より直線飛行の距離を長く取るようにし、
低くなってきたら、ゾーンを短くしていきます。

※2 ファイナルアプローチに入る前に、最後の高度の微調整を
緩やかなカーブ(旋回)をかくことで行います。
出来る限りバンクが深くならないようにします。
なお、上下の点線に書いたように、ランディングに近づくにつれ
旋回の幅は小さくなるようにしていきます。




 一方、場周ランディングという方法もあります。こちらはランディング風上の指定地域で360度旋回を行い、適切に高度が下がってきたら、ランディング風下方向に直線飛行で移動してファイナルアプローチを取るというものです。(下記 図2参照)



s-IMG_0536a.jpg
<図2>

※1 旋回ゾーンやレグ(ファイナルに入る前の直線飛行)は、
風向き等によって設定される場所が変わります。
また、エリアによっても設定が色々と違ったりすることがあります。

※2 場合によってはここで、上記基本のアプローチと同じ形で
高度調整をする場合などもあるかと思います。




 どちらのアプローチ方法についても、最終的には、ランディング風下から、直線飛行でファイナルアプローチを取る形でランディングしていきます。

 海外のように数百メートルもランディングがある場合は、場周ランディングで、ある程度まで高度を落とせば、後はランディング風下からただまっすぐにランディングに向かえば、簡単に降りられるのですが、ランディングが狭い日本では、ファイナルアプローチに入る前に、場周ランディングであっても、最初に書いたアプローチの方法を取らざるをえない場合も多いかと思いまし、非常に風が強く、オーバーヘッドアプローチを取らないといけないような場合には、最初に書いたアプローチパターンを取った方が良かったりしますので、今回は、最初に書いたアプローチの方法について、重点的に書いていきたいと思います。

 まず、アプローチにおいてのグライダー操作の基本ですが、ブレークを使う初動は早めにし、ブレークの引きはゆっくりと、そして軌道の修正については早めにゆっくり行う事をお勧めします。低空においては安全な飛行の為に、グライダーの挙動を激しくしないことが重要だからです。

 ただ、これは、あまりにもゆっくり、だらだらと旋回をするという意味ではありません。8の字旋回や、180度旋回については、ある程度しっかりとした、メリハリの効いた旋回が当然必要です。余りのんびりしていると、風に流され、設定したアプローチゾーンから大きく逸脱してしまうからです。ただ、このしっかりした旋回というのは、しっかりバンクをかけた急旋回ではないということもポイントです。

 アプローチでの旋回は、リスクのあるバンクをかけた旋回はせず、あくまでもアプローチスペースにとどまるがための旋回であると強く認識しておく必要があります。バンクのある旋回で高度を落とすのではなく、高度を下げていくのはあくまでも、直線飛行を長く取ることでゆっくり行う、というのが基本になります。

 前述しましたが、あまりにもゆっくり旋回しすぎていると、設定したアプローチスペースから前に行きすぎてしまったり、戻り過ぎてしまったりすることもあります。よって、そのような時は、早めにリカバリーするべく、少しターンを深めにしたりしてアプローチスペースにしっかりと戻れるよう調整します。

 そう考えると、アプローチの最大のポイントは、旋回にあるとも言えます。目線が外れやすく、また、グライドパスや、沈下の度合いも分からなくなる旋回を、うまくコントロールし、その状況を把握できるようになれば、アプローチは非常に簡単になってくるのですが、これが中々できないがゆえに、ランディングは難しいということになる訳です。

 なお、このアプローチスペースでの結構シビアなコントロールを、長く強いられない方法が場周ランディングです。場周ランディングは、風上側で360度旋回を繰り返す方法ですので、多少旋回にずれがあったり、風に流されたりしても、リスクが極端に大きくなることはありません。(※ただし、強風時を除きます。) 風の強さ・向きに応じて適切に、一定の高さ、位置まで高度を落とせば、後は直線飛行と緩やかな90度旋回を繰り返すことでファイナルアプローチに臨めますので、リスクが少ないと言えます。ただ、前述の理由で、基本のアプローチ方法も習得しておいた方が、僕はいいと思っている訳です。

 そんな訳で、基本的なアプローチを習得する最初の段階では、『アプローチにおける旋回を、行き当たりばったりの色々な旋回にするのではなく、ある程度同じような旋回で固め、その状態でのグライダーの曲がり具合や、沈下の度合いをしっかり把握していく。』練習をされるのがいいかと思います。

 ある程度、自分の中でしっかり使える旋回が確立されてくれば、アプローチに際しての安心感も生まれますし、風の違いによる対応なども、ある程度できてくるかと思います。また、その後のアプローチ時の旋回のバリエーションにもつながります。また、基本的な旋回をしっかり習得した後、その後でバリエーションという形を取っていくと、リスクを減らすことにも繋がります。

 なお、アプローチスペースについては、風向きによって変えていく必要があります。風向きが違ってしまっているのに、アプローチスペースの設定を変えないと、「やたらフォローで飛ぶことが多くなってしまう。」とか、「旋回の際にメチャクチャ流されてしまう。」等といったことが起こってしまうからです。(下記 図3 図4参照)




s-IMG_0532a.jpg
<図3>







s-IMG_0530a_20110621023418.jpg
<図4>
(クリックで拡大できます。)




 よって、「風向きに対して垂直になるようにアプローチスペースを設定する。」ことが基本になります。

 しかし、ランディングの地形や、ランディング周辺の建物や電線、森林などの状況によって、風向きに対して垂直になるようにアプローチスペースを設定できない場合も少なくありません。この場合、偏流飛行を併用してアプローチをしないといけないという、かなり難しい状況になりますので、事前にアプローチの組み立てをしっかりと行い、また、実際のアプローチではシビアにコントロールする技術が必要になってきます。よって初心者の方の場合、ランディングのリスクを無くすために、このような条件下では、フライトしないという選択肢もあるでしょう。 

 なお、上記のような場合においても、場周ランディングは、前述した理由でリスクを軽減できます。基本のアプローチ、場周ランディング、その両方を習得しておくと、様々な条件の変化に、臨機応変に対応できると思います。

 また、アプローチスペースを設定するには、風の強さや風向きについて、アプローチ中常に観察し、判断し、そしてスペースの設定を変更していく能力が必要です。
 
 ランディングの風向きや風速を見て、事前に頭の中である程度アプローチスペースや、アプローチの方法をシミュレーションし、それが実際のフライトで、予測した通りの状況となっていて、シミュレーションした通りにコントロール出来れば、もうほとんどリスク無く、アプローチできる訳ですが、そのようにできるようになるには、様々な条件下でのフライトや、豊富な経験、知識が必要になってきます。

 よって、初心者の方であっても、ランディングについては、常にシビアに、自分がどのようにアプローチして、その時の風がどんな強さでどの方向から吹いていたかなど、毎回自身で把握し、また、ログに書くなどしてデータとして残しておくのがいいかと思います。最初のうちは、どんな風にアプローチしたかなどはさっぱり覚えていなかったりすると思いますが、これが徐々に分かりだし、更には、その記憶が実際のフライトとほぼ同じになれば、フライト前のアプローチシミュレーションの精度は格段に上がります。漫然となんとなくアプローチするのではなく、常に上記のようなしっかりした認識を目標にフライトされると、とてもいいと思います。

 さて、次回は、ファイナルアプローチからランディングまでについて、書いていきたいと思います。


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  1. 2011/06/21(火) 01:11:31|
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