鬼飛(おにとび)ブログ
パラグライダーで飛んでるおっさんの雑記ブログです

ダミーフライト

 先日、亀岡で行われたJPAナショナルリーグ「京の桜カップ チャリティー大会」において、ダミーでフライトしてきました。


 一日目は、台風並みの激風の為に昼過ぎにキャンセル決定。テイクオフが西面にある亀岡エリアでは通常ほとんどない、朝一からテイクオフに行って準備・待機したものの、残念ながら激風が止むことは終日ありませんでした。

 そして二日目も朝一は弱目だったものの、もやが晴れて日射が強くなるに従って本流の北風がしっかりと影響し始め、またも風は北から北北東風で強風に。

 これは今日もダメか、けど、亀岡特有のコンバージェンスマジックが起これば一縷の望みもあるかななどとも思いつつ昼前まで待っていると、亀岡盆地内で強烈なサーマルが発生している感も出始め、少し風も変わってきました。

 という事で、なんとなく行けそうなサイドの風で、若干の無理やり感もある状況の中で第一ダミー発進。裏やサイドからの巻き込みのローターに翻弄され、バスンバスン潰れながらも、北側の尾根のしっかり風を受ける面でガチーンとサーマルゲット。トップアウトしてそこそこ上がり、それなりに移動を始めた所で、テイクオフの風もサイドアゲンスト風に変わってきたため、僕もダミーでフライトする事に。

 テイクオフは既に、サイドであることだけ留意しておけば特に問題ない状態だったので、サクッと出た後は、もうブロー交じりで何もせんでもアホのように上がっていく状態に。まさに完全に亀岡独特のコンバージェンス状態になっていたようで、テイクオフ多方面は北風から北北東。亀岡盆地西サイドは北西風から西風、亀岡盆地南方向は西風から南西風といった感じになっており、グラウンドではあちこちで、ごっついコンバージェンス(シアー)が発生、いい波に乗ればまっすぐ飛んでいてもガンガン上がっていく条件となり、まさに一番いいタイミングで飛んだのではというような状態になっていました。

 ダミーとして指示を受けつつ、移動して空域の状況を報告していたりするうちにタスクも決定したようで、しばらくすると選手が出てきてソアリング開始。ちょこっとだけ一緒に飛んだりしましたが、自分の方は気楽に飛べるダミーだっただけに楽しめました。もしかすると選手は「邪魔じゃい!」とか思ってたかもしれませんが・・・。

 あまり一緒に絡んでいても、邪魔にもなるだろうし、あまり分かりやすくタスクコース上のサーマルポイントにいたりするのも、選手じゃない以上あまりよろしくないだろうなと思って、しばらくして大きく沖の方に出し、月読橋あたりのグランドサーマルでがっつり上げて、次の自分の持ち場であったゴールに向かいましたが、がっつり上げたのが大失敗。降ろそうとしても降ろそうとしても、ゴール地点もアホのようにサーマルが上がりまくっていて、頭に血が上って意識を失うかと思うほどグルグル回っても(と言っても自分サブロクに弱いため、大して回ってはないんですが)中々下がらずに苦労しました。

 その後、僕がランディングしてからも、更に条件は好転し、雲底はそれほど高くなかったもののコンバージェンス状況は維持され、この日のタスク設定としては個人的にはかなり強気かと思った50kmほどのタスクにおいて、20名弱のゴール者が出るという、朝一では全く考えることもできなかった、いい感じのフライト内容となって大会は終了したのでした。

 久々に大会を見て個人的に思ったのは、次の3点でしょうか。中々ゴールできないという人などに対しては、かなり辛口な批判的指摘になると思いますが、あえて書いてみたいと思います。

1. テイクオフ技術の大切さ。

  テイクオフの風に多少のリスクがあっても、サクッと出れる技術がないと、タスクの事を考えるどころかテイクオフの心配のみに心とらわれてしまい、更には失敗なんかしてしまうと、その精神・肉体的ダメージやプレッシャーで、より良くない波に取り込まれることになってしまう気がします。まずは、テイクオフについて心配することなどがないテクニックを身につけることが、日頃のフリーフライトでは出ない風でも、「出ざるを得ない事が多い」大会においては、非常に重要なのではないかと思います。

2. モチベーションの維持などの、バランスの大切さ

  亀岡は、西向きのエリアなので東向きエリアなどと違って基本的にはお昼過ぎとかの、午後からの方が条件がいい状態になります。朝一から鬼のようなスピードで準備して、場所取りの為にテイクオフに上がり、そのままギンギンのテンションで行くのもいいと思いますが、参加人数や、エリアの特徴などを考え、テイクオフの順番や個人のテンションのオンオフ含めて、いい感じでバランスを取った方がいいのでは?と思ったりしました。

  結局早めの順番を確保できても、1.のような問題でその事がプレッシャーになると大きなデメリットですし、それを回避しようと後に回ったりしたら、折角の朝一の苦労は水の泡、そしてストレスも大きくなるかと思います。

  日本においてはテイクオフが狭く、一斉スタートなどもできない上、フライトにおけるいい条件が長く続かないがために、一般的に「早く出た方が絶対的に得だ!」というセオリーがあります。

  けれどこれは「好条件に対しては早めのゲートオープンとなっているが為、渋い中でも粘れる選手。」とか、「ブローがごっつくきつくて難しい中とか、逆に強いサーマルが前で出ていてテイクオフ近辺が無風もしくは微フォローとかでも、サクッとテイクオフ出来る選手。」とか、「テイクオフ前の大勢の選手の監視の中、長時間の待ちやテイクオフの取りやめ、失敗にブーイングさえ起きかねない状況の中、それらを大して気にせず、また、それらのプレッシャーに負けず己のペースでテイクオフ出来る選手。」といった、なんだかんだでトップクラスの技術を持つ選手のみに有効なセオリーだったりする訳です。

  という事で、「まだまだ修行中の身。」とかであるのであれば、「あえて朝一から入れ込みすぎずに、気楽な感じで中盤以降で出て、自分のペースでレースを展開してみる。」とかいうのもいいのではないかと思うのです。

  まあ、これは、決死の思いで場所取りとか順番押えとかが好きではなく、それ故に向いてないと思われる僕特有の考えかもしれないのですが・・・。それと自分の、「ヘボいのに入れ込んでも、いつもよりはよなったり、うまなったりせん。結局淡々といつものようにやるのが一番」という考えに基づくものなんですが・・・。

3. 風読みの大切さ

  結局タスクをいかに回るかについては、この事が一番大切だと思います。

  先日の亀岡であれば、「コンバージェンス発生の予測。」、「コンバージェンス持続時間の予測。」、「雲底高度の変遷の予測。」、「風向きと風速の変遷の予測。」が重要だったかと思うのですが、後付け(後付けなので何とでも僕が有利に放言できますので、下記を当日の僕がそう考えていた訳ではありませんのでご注意ください。)でこれらを考えてみると、

 ○ 亀岡の好条件はそのほとんどがコンバージェンス(シアー)条件によるもの、それらは数時間にも渡って持続することは少ない。

 ○ ダミーが出た時の雲底マックスは1100mほど。その後更に好転するとしても、1800とか2000とかは期待できなさそう。そう考えると比較的厳しい条件下(低高度)でタスクをこなしていくことが予想される。本流の風が強そうなだけに、移動については風向きも含めて充分に注意する必要がある。

 ○ 午前中の本流は北から北北東。ゲートオープン時に北西っぽく変わっているものの、これについてはグラウンドからのサーマルブローの影響が大きそう。これが南西に変わるようであれば更なるコンバージェンスや雲底高度のかさ上げも期待できるが、予報的にはその可能性は低い。

   そう考えると、ラストの北側のパイロンを取る時において本流である北成分が強いと取るのが厳しくなるし、そこをクリアすればラストのグライドについてはフォローになるが為、上げすぎずともワングライドでゴールまで到達できる目が出てくる。

 と、こんなシミュレーションができるのではなかろうかと思います。実際、ゴールしたきれいどころの選手達は、飛び始める前、もしくは飛び始めてからしばらくした時点で、これらの様な予測を既にしていたのではないかと思います。

 まあ、実際の条件が「コンバージェンスバリバリ。比較的楽に移動したい放題。」「しかし、あまり上がらない雲底。低くなると強い風にサーマルは乱れ、タイムロス必至。」「張ってくる高層雲、若干陰ってくる日照。弱まるサーマルに対して、強くなる北成分の強い本流。」という感じだった為に、僕の場合は後付けでこんな至極もっともらしい事を当日予測していたかのように書いているのですが・・・。

 そんな訳で、なんだかんだ書きましたけど、結局大会のロングタスクでゴールするには、「様々な条件下で修行して、まずは確固たる技術を獲得し、その上で経験値や予測値を上げていく。」事しかなかったりするかと思う次第です。僕自身、それに気付いたのは大会に参加してかなり年数がたった最近のレベルだったりします。

 とにかく先日は、いい感じでフライトができたようでなによりでした。選手の皆様、そしてスタッフの皆様お疲れさまでした。

追記: それにしてもマントラ、ほんと良く飛ぶなあ・・・。JPAの大会でマントラがトップだったのが、中々エスプリが効いててアウトローとしては面白かったです。

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  1. 2011/04/22(金) 23:10:39|
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