鬼飛(おにとび)ブログ
パラグライダーで飛んでるおっさんの雑記ブログです

アヴァックス XC3 試乗記

 最新機種であるアヴァックスXC3に乗せて頂く機会がありました。今回は、その試乗記を書きたいと思います。



グラディエントの最新鋭機、アヴァックスXC3。ENのレーティングはDです。

 日本販売元であるエアーハートさん(http://www.airheart.jp/)のHPからグライダーの説明文を引用しますと

『 AVAX XC3は、シリアルモデルの中でEN-Dという最高のクラスでハイエンドパフォーマンスを目指し開発されたGRADIENT社最新のグライダーです。
 AVAX XC3の開発行程は、R&Dチームにとって喜びに満ちた作業でした。今回のAVAX XC3で投入された新しい「CHENGE」で、滑空比、スピード、沈下率等のパフォーマンスが大幅に向上しています。またXC2で支持を受けたパイロットの感性に素直に反応するハンドリングはそのまま健在です。AVAX XC3は、XC2と同様にクロスカントリー記録で注目の南アフリカのドゥアールで開発およびテストが行なわれ、XC3の名に恥じないパフォーマンスを発揮しました。』

とこのように書いてあります。

また、雑誌パラワールドのニューグッズコーナーのグライダー紹介から引用しますと、

『 AVAX XC3は、もっと遠くへ距離を伸ばしたいクロスカントリーパイロットのために妥協のない開発が行なわれた。ラインは、よりクリーンな3列ラインコンセプトを採用し有害抗力を減らし、リーディングエッジに、革新的なインターナルストラクチャー(リブにプラスチック製のスティックを縫い付けた)を取り付け、剛性を高め、リーディングエッジ全体に荷重を分散させることに成功。また翼断面のSカーブプロファイルは、 最適なピッチ安定を作り出し、高速時に安定性をもたらす。

 AVAX XC3は、 ライザー、ブレークハンドル、ハーネスを通して直感的なフィードバックをパイロットに与えてくれる。AVAX XC3のハンドリング特性は敏感で、正確なコントロール性をもたらす。AVAX XC3は、クロスカントリーフライトというアドベンチャーにギャランティを与えてくれるだろう。 』

とこのように書いてあります。


 ああ、自分がヘボいインプレッションなどしなくても、十分にどんなグライダーか分かるがな・・・。


 僕が乗ったのはサイズ24で、飛行推奨重量は82~95kg。約92キロほど、上限ちょい下といった装備重量でフライトしました。

 そういうと、3ラインだとか、リーディングエッジのリブのスティックとか、全然見なかったなあ。インプレッションをするものとしては最悪ですな・・・。

 立ち上げは、若干サイド気味の風の中で、正面からの風が吹いてくるのを選んでリバースハンドで。1~2m/sほどの風だったと思いますが、ゆっくりインテークに風を取り込んでやるだけで、サクッと軽く上がってきて、大きく傾く様子も、無駄に先走ることもなく安定して頭上で安定、すこぶる快適な立ち上げ感です。かぶいたEN-Dな感じは見受けられない、素直な良い子です。

 風がそれなりにあるような場合は、ライザーを引っ張って立ち上げていくというより、エアーが入ったらキャノピーの下に迎えに行くという感じにすると、すこぶる楽にライズアップできるタイプのグライダーなのではないかと思います。

 テイクオフしてすぐに感じたのは、その浮きの良さ。ちょっとしたリフトでもクイッと上がるような感じがします。その後すぐにサーマルにあたったので、回してみました。

 あらら、よ~う回ります。気持ちいいほどくるくる回ります。また、ライザーに来るキャノピーからのフィードバックがかなりのもので、グライダーの挙動がライザーからビンビンに感じられます。こりゃ気持ちいいやと、無駄に回しまくっていたところ、己のへぼさ故にサーマルから突き抜け、乱流に煽られ、翼がぺろぺろとなってウヒャアって感じになりましたが、大きく潰れる感もなく、翼剛性はかなり高い感じ。

 「このグライダー、結構過敏なんかな?」などと思いましたが、元々テイクオフ近辺はサイドの風。そのサイドローター的リーサイドのサーマルで、自分がヘコヘコやっていたからそんな風になったことに、愚かにもしばらくしてから気づいたのでした。そりゃそんなところで回していれば、どんなグライダーでも危ないことになります・・・。ただ、そう考えると、あの乱れた中でのかっちりした感じは、すこぶる好感が持てます。

 そんな訳でアホな空域で、ちゃんと上げることもできずに無駄にグルグル回っていた自分を反省し、正面風を受ける山肌へと移動しました。すると程なく良いサーマルゲット。ほんと最初からここに行けよって感じです。

 なお、ちゃんとした風が吹くところでは、非常に高いピッチ安定性もあって今度はほとんど揺れることもなく、回し続けるといい感じの高さまであっという間に上がることができました。

 前述の通りキャノピーからライザーへのフィードバックがいいため、サーマルのコアもよく分かり、サーマルの強弱での突っ込みやグライダーの弾かれを、体重で押さえるのも楽ちんです。ただ、このフィードバック、いかにも高性能機といった趣なので、それをアクティブには使えない人にとっては必要ない情報かもしれませんが・・・。

 ブレークは、引き始めは非常に軽く、ある程度のところからそこそこ重くなる感じです。最初の頃は重いところまで使って回っていましたが、しばらくして重くなる手前までしか使わず、必要に応じて体重移動を使うほうが楽だということに気づきました。更にその後、気持いいからとくるくるバンクをかけて回すよりも、いい感じでフラットにしておいた方がより効率がいいことにも気づきました。浮きがいいのでより大きめに、フラットに、コアを引っ掛けるイメージで回った方が良さそうという感じです。

 なお、スピードに関してはスピードセンサーなどを付けていなかったので全く正確なデータは取れておらず、アクセルもさほど踏んでいないので全くコメントのしようがないのですが、そこそこの風の中、十分気持良く進んでいる感(思い切り主観ですな。)はありました。まあ、上限近くで乘っていたことも大きく影響しているでしょうが・・・。

 なにより、今回のこのグライダーでのフライトで特筆すべきは、弱いリフトでの沈下率の低さでしょうか。ランディング間際の低空で0.2m/s前後の弱いサーマルにあたったのですが、旋回性能及び取り回しの良さと、その低い沈下率のおかげで非常に粘りやすく、高い精神的アドバンテージを持って、キープどころかわずかづつ上がっていくというような、粘りのソアリングをすることができました。これは大会やクロスカントリーのフライトにおいて渋いタイミングで低くなってしまった時などに、非常に有効であると思われます。

 そんな訳で、非常に素直な操作性で気持良く、くりくり回り、安定したグライドもできるこのグライダー、「本当にいつも、最新のグライダーはどんどん進化して、ほんでメッチャ飛ぶなあ。」とまた思った次第です。

 なお、かなり良く飛ぶので、フライト空域を大きく取りたいというパイロット以外は、その高い性能を持て余してしまうことがある気がしました。XCというグライダー名の通り、日頃からクロスカントリーフライトをしているパイロットや、大会に参加してアグレッシブにフライトしたいというエキスパートパイロットにオススメ、というか、そういう目的がある方にのみ必要であろう、高い性能を有したグライダーだと思います。

 

 


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  1. 2011/04/10(日) 22:54:59|
  2. パラグライダー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

  

コメント

「翼断面のSカーブプロファイル」というのは、
リフレックス翼のようなものなのでしょうか?

  1. 2011/04/13(水) 00:00:10 |
  2. URL |
  3. CLOUDSTREET #-
  4. [ 編集]

リフレックス翼

 Sカーブプロファイル、多分、リフレックス翼に近い物という認識でいいのではないかと僕も思います。

 トレーディングエッジ側を少し上方に上げる翼形になっているリフレックス翼。その特徴としては、翼端の潰れの軽減、高いピッチ安定・高速性能等が挙げられるようです。

 一方で欠点は、立ち上げの難しさ、翼が潰れてしまった場合の回復の難しさ、ハンドリングが良くないといった事等が挙げられるようで、これらの特徴を考えると、Sカーブプロファイルというのは、リフレックス翼に近い物であると考えていいのではないかとそう思う次第です。

 少しリスクを取ってでも、性能を取るということで採用したのであれば、EN-Dというレーディングも納得です。

 ほんとうに最近のグライダーは良く飛ぶので、日本のエリアで5km四方くらいの感じでフライトするなら、安全性と性能のバランスを考えると、個人的にはEN-BもしくはEN-Cで十分な気がします。

 

  1. 2011/04/13(水) 22:41:16 |
  2. URL |
  3. 高鬼 #bBUgYcK2
  4. [ 編集]

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