鬼飛(おにとび)ブログ
パラグライダーで飛んでるおっさんの雑記ブログです

食のコスト

食のコストというものについて、ちょっと考えてみた。


うちのおやじは、無農薬・有機肥料・露地栽培で家庭菜園を作っているのだが、そこでとれる野菜は、素人が作っているものながら、新鮮な事もあって非常に美味い。

しかしこの野菜、コストの事を考えると、スーパーで買う野菜に比べるべくもない、高コストで作られている。これは、少量栽培であることによる、手間のコストや種苗・有機肥料のコスト高。また、無農薬栽培であるがための膨大な手間などが原因なのであるが、そう考えると、スーパーなどで売っている食品は、買い得品と称し、期間・時間限定で原価もしくは赤字覚悟で販促の為に販売する商品は別として、よく考えると安すぎるのではないかと思われる低コストで販売されているものも多い。

例えば外国産の肉などは、海外の工場で加工・冷凍し、船などで海を渡り、更に商社や現地法人の流通コストを加味して日本に来るという、非常に多くのコストがかかる状態で輸入されているのにもかかわらず、信じられないくらい安いものも多い。

確かに、豪で畜産業をしている日本の方に聞いた牛の育て方は、ほとんど敷地内でただ放牧しているだけというコストがかからないものだったりしたり、海外の日本とは比べ物にならない物価の安さなどを考えると、非常に安いものが流通するのもうなずけるように思うが、それでも、何かが歪んでいるような気がしないではない。また、安全面という点でも、少し不安に思ったりもしてしまう。

また、野菜も同じだ。

中国の野菜などは非常に安いが、これに関してはどの程度農薬を使っているかなどは日本で買っている分には分らない。数年前に、中国に旅行に行った時に思ったのは、日本の数十年前と同じように、畑において、もう虫なんか絶対に生存できないなと思う程、これでもかというレベルでギンギンに農薬をまきまくっていたのを見た事があるので、かなりヤバいなあと思った記憶がある。

ただ、それは中国だけの話しではない。日本でもモノによっては変わらないと思う。

今はどうだか知らないが、嬬恋村にいた時、外側に新たな葉ができるというキャベツの、一枚一枚の葉にそれぞれ、たっぷりと農薬がかけられていたのを10年ほど前に見ている。農協が満足して買い取る品質にする為には、農協が販売する農薬をたっぷり使って虫が寄り付かないようにし、これまた農協が販売する化学肥料を使って均一な大きさまで育てるしかないからという理由がある。また、手間や材料のコストを考えても、農薬や化学肥料は低コストを実現するのに役立つという事もある。

ちなみにこのキャベツ、有機栽培で作られたものは非常に高額だ。しかし、前述の通り化学的に効率よく作られた大量生産型の商品は、種まきから収穫まで、4か月から8か月もかかるというのにもかかわらず、時によっては100円ほどで販売されている。

なお、上記嬬恋村では、農家の方々は自分の家のキャベツに関しては低農薬で栽培をしている方がほとんどだった。まめに農薬をかけるコストが高いというのもその理由だったろうが、多少虫がつく位は全然構わないし、なにより農薬づけはやっぱり気持ちのいいものではないというのがあったようだ。

そう、農薬や化学物質がここまで使われているのは、実は我々消費者のニーズでもあるのだ。虫食いがなく、均一化した野菜を作るには、そういった人工的な作業が不可欠であるからだ。そして、そのコストについては、当然商品に乗ってくるし、その分のコストを他で削ろうとすると、機械化や、手間のかからない栽培方法、大量生産、非露地生産と言った、工場生産的な方法を取らざるを得なくなってくるというのもまた事実かと思う。

という事で、コストを削ろうとすると、何らかの工業的生産が必要になるという事が自ずとわかってくる。これは食品そのものだけでなく、加工食品についても同様だ。天日干し、手作業、自然乾燥等といった昔ながらの方法は、全て工業的加工に比べると格段にコストがかかる。

ただ、現在の我々消費者が、コストの高い食品を自ら欲していないという事が、本来の形ではない安価な食品を氾濫させる原因になっている。樽でつけたのではなく、タンク内で調味液と染料を浸透させた漬物や梅干しなどを安いからという理由で買うから、そういった昔ながらではない製法の物がたくさん出回るのだし、自分で作るのが面倒だからと、保存がきくように人工的な保存料や添加物、コストを削減する為に副原料をたっぷり使った加工食品を好んで買い、食すからこそ、そういうものが商店に沢山並んでいるのだ。

そんな訳で、食品のコストは、ある意味非常に分りやすい設定になっている。

コストが高い=手間暇かけた素材を使っているか、加工に手間暇がかかっている。

コストが安い=素材のレベルを落としているか、大量生産や工業的製法、期間短縮製法などで対応している。

こんな認識でいいのではないかと思う。

本来であれば、ちゃんとしたものを皆が食べられる状況であればいいのだが、残念な事に経済的な状況というのがあってそうもいかない。ただ、だからと言って益だけを求める企業の低コスト商品にきれいに乗せられるのもなんだかなという気がする。

そこで、手間に関しては、時間さえあれば自分でかけるという事が出来ることから、外食や加工食品購入で高いコストをかけるのであれば、その分を素材に回し、手間をかける事で自分で調理することによって美味いものを食べるというのが時としてあってもいいのではないかと思う。

ただ、プロの作る美味い物を、高いお金を出して食べるというのは、味や食について考えるという意味では非常に良い事だと思うが・・・。

そんな訳で食のコストという事について、時として考えてみる事は悪くないと思う。そんな風に考えてみると、ただ安いから安いともいえず、高いからいいものであるともいえない、そんな事もあるのではないかと、そう思ったりするのだ。

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  1. 2010/05/25(火) 20:58:33|
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