鬼飛(おにとび)ブログ
パラグライダーで飛んでるおっさんの雑記ブログです

オレたちの深夜特急 インド編 ニューデリー到着 その二

(前回のあらすじ)

タイバンコクから、インドはデリー「インディラ・ガンジー」国際空港に降り立った僕。しかし、荷物を受け取ろうとしたターンテーブルに、僕のバックパックが流れてくることはなかった。そう、僕は初めての「ロストバゲージ」(荷物紛失)の洗礼をここインドで受けたのだった。


「なんじゃこりゃーーっ!!」松田勇作ばりに心で大きく叫んだ僕は、怒りに燃えながらロストバゲージカウンターへと突き進んでいった。

しかし、僕の英語力はその怒りを表すのに全く十分なものではなかった。だから怒っているという意思はある程度示せたものの、十分な対応を引き出す交渉までには至らず、その自分自身のもどかしさに僕はまた怒りを倍増させた。

結局窓口の対応は、予想通りというか思っていた以上に、通り一遍のものだった。親身の対応とは全く言えず、言葉の端々から、「めんどくせーなー。」という匂いが湧き上がっていた。

そんな中、「荷物なしで今日から一体どう過ごせばいいんだ?」「俺の大切な短い(短くはないから嘘なのだが)旅行時間をどうしてくれる?」と、拙い英語力の中でなんとか単語を組み合わせる事で必死にアピールしてみた。

が、どんなことを言っても、「今日はどうしようもないので、このバゲージクレームの書類に記入して、明日こちらに電話をしてください。荷物についてはその時にお答えします。」という回答が空しく返ってくるだけだった。更にその後ある程度粘ってみたものの、回答も対応も変わる様子は全くなかった。やむを得ない。僕は若干泣きそうになりながらカウンターを後にし、税関へと向かった。

その時持っていた荷物は、上海で購入したそんなに大きくはないアディダスバッグだけだった。預入荷物にしたバックパックから、必要なものだけを日頃その辺をブラブラする時に使っていたアディダスバッグに移し、手荷物として持ち込んでいたのである。

中には確か、機内で寒い時に着ようとしていた長袖のシャツ、インドのガイドブック、パスポート、システム手帳、身だしなみセット位が入っていただけだったと記憶している。貴重品は身につけていたので現金がないという心配こそなかったが、着替えもタオルも何もない、ほぼ着の身着のままの状態だった。

そんな訳で税関では、あまりの荷物の少なさにその理由を説明させられた。挙句なぜだかなんかの書類にサインまでさせられ、(ロストバゲージをしたとかなんだかとかの書類だったと思う。)そして僕はやっと空港ロビーに出ることができた。

空港ロビーは夜ということもあってか薄暗かった。ロストバゲージの交渉云々で、確か22時とか23時位になっていたのではなかっただろうか。ロビーは何か独特の空気感を伴っていて、僕にとっては非常に緊張を強いられる空間となっていた。

その異様な空気感は、ロビーに群がるインドの人々、というかどうやら客引きらしい男達によるものが大きかった。今思い出してみると、公の場に女性がいることが少ないインドにおいて、男比率が異常に高かったことも僕に違和感を感じさせていたかもしれない。

そんな男だらけの空間で、男達は獲物を見つけようとする鋭いまなざしを僕の方にも容赦なく、射すようにぶつけてきていた。彼らは、客引きだった。そして僕は怪しい何十人もの男達から、タクシーの誘いや、宿への送迎の誘いを受けつつ、なんとかそれをすべてかわしていった。

「バスに乗るのからタクシーはいいんだ。」という僕に、ここインドでも彼らはおなじみの「町に向かうバスはもうないよ。」というセリフを投げつけてきた。確かに今回は時間がかなり遅い。本当にバスはないかもしれない。が、とりあえず僕はバス停に行ってみることにした。

バス停に着くと幸いにも、エアポートバスは運行していた。チケットを買って、運転手にコンノートについたら教えてくれと身振り手振りで伝え、そしてほとんど真っ暗な車内に乗り込んだ。

しばらくするとバスは走りだした。オレンジの街灯が数十メートル毎についた薄暗い道路を、バスはエンジンの音をけたたましくあげながら、しかし、さして早いスピードでもなく走って行った。

「どこまで走ったら街中なんだろう?」と思い始めた数十分後、バスはこれまたほぼ真っ暗な場所に止まった。運転手が降りろと言っている様子。どうやらコンノートプレースに着いたらしい。

こんな真っ暗なところが本当に街中なのかと半信半疑ながらバスを降りる。すると、そこにはもう深夜であるというのにもかかわらず、男達が僕を待ち構えていた。更に、何故だかそんな男達がどんどんと増えてくるのだった。

そして、僕はその男達にぐるりとまわりを取り囲まれた。

つづく

この記事は、リンクコラム形式になっており、記事中にも出てくる熊猫師(師)のブログ、「BBB」Baseball馬鹿 Blogでは、同時期における、彼の視点から見たアジア旅行について書いています。
僕の記事と内容がリンクする事も時としてあり、楽しんで頂けるかと思いますので、

↓ こちらをクリックして頂いて、
「BBB」 オレたちの深夜特急シリーズ
是非ご覧下さい。


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  1. 2009/09/03(木) 00:20:56|
  2. 俺たちの「深夜特急」|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:5

  

コメント

アディダス

バッグの中にパスポートが入っていたようだが、入国の手続きはどのようにしたのだ?

しかし、インドの空港はのっけから事件発生するよね。
オレにも強烈な印象があるよ。

ディープだよ。
最初からもうズブズブだぁ。

  1. 2009/09/03(木) 22:50:14 |
  2. URL |
  3. 熊猫刑事 #-
  4. [ 編集]

すまん

書き方がまずくて誤解を生んだようだ。

アディダスバッグは手荷物として機内に持ち込んでいたので、ロストバゲージしたバックパックとは別で、その時持っていた荷物だったんだ。

という事でわかりずらかった本文は書き直しをしました。

そんな訳で、パスポートは持っていたので入国手続きには問題はなかったんだ。

それにしても、「よりによってなんでインドでロストバゲージ???」とは凄く思ったなあ。

大体、飛行機に乗る際にはターンテーブルの受け取りがめんどくさく時間もかかるので、ほとんど荷物は預けていなかったのに、たまたま預けたこの便でやられたというのもまたなんだかなぁって言う感じだった。

それでなくても夜の到着で、初めてのインドをどうこなすかビビっていた訳で、ほんと途方に暮れると共に、後日出てくるかどうかもわからない、バックパックの調査交渉を電話でしなければいけないというプレッシャーや、もし出て来た時の引き取り手続きなど、つたない英語でどこまでできるのだろうという不安もすごく大きかったよ。

まあ、それよりまず、この日の宿を探さなければいけないという、大きな問題を何とかしなければいけなかったんだけどね。

  1. 2009/09/03(木) 23:27:08 |
  2. URL |
  3. 高鬼 #bBUgYcK2
  4. [ 編集]

期待

だんだん面白くなって参りました。。。

この焦らしがなんとも。。。

  1. 2009/09/03(木) 23:57:39 |
  2. URL |
  3. nimbus from Ashio #-
  4. [ 編集]

異様

インディラ空港のあの異様な雰囲気って一体何なのだろう。
あの熱気と不思議な匂い。そして、ロビーで待ち構える人々。

大抵の奴はあの独特の雰囲気にやられてしまうよね。

冷静さを欠いて、ついインド人の術中にはまってしまう。

まず、いかに平静を保てるかが、インドを初めて訪れるバックパッカーの試金石だろうね。

そのうえで、荷物を無くした師はかなりヤバい状況だね。

ある意味、死神が見えたんじゃないか?

  1. 2009/09/04(金) 10:44:19 |
  2. URL |
  3. 熊猫刑事 #JalddpaA
  4. [ 編集]

リアクション

<nimbus from Ashio さん >

ご愛読ありがとうございます。続きものなのに更新があきすぎで申し訳ないです。しかし、焦らし過ぎですな・・・。

さて、新たな記事は本日更新しておきました。またよろしければ読んでみてください。

その後は、電話および直接窓口による、エアーインディアとの果てしない?闘いになります。

こちらもご期待下さい。


<熊猫刑事師>

確かにインディラ空港にはインドらしいというか独特の雰囲気があったね。ほんと最初に着いたこの時には激しくビビったもんだよ。

ただ、2度目にパラの大会で行った時にはそこまで怖さを感じなかったなあ。まあ、連れがいたり、空港に迎えの人が来ていたり、俺自身がおっさんになってたからというのがあるからだと思うけど。

なお、どの国でも空港というのは何故か独特のなんとも言えない雰囲気があるもんだね。ただ、インドとかモスクワとかは個人的に突出した雰囲気を感じたなあ。(モスクワなんかトランジットしただけなんだけど。)

あの時荷物がなかったのはほんと不安だったけど、まあ、数日かけりゃ出てくるだろうとどこかで楽観してた。なんつっても、盗難したいようなものは何も入ってなかったから、積み込みに際してのトラブルが原因だろうと思ってたから。

そんな訳で死神までは見えなかったけど、(笑)この日はほんと精神的にも肉体的にも疲れ切ったなあ・・・。

  1. 2009/09/09(水) 21:07:15 |
  2. URL |
  3. 高鬼 #bBUgYcK2
  4. [ 編集]

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